さらば、わが愛/覇王別姫 (映画 )
2007年3月5日
「19世紀、清朝が終わりを告げた中国。
遊女の私生児である小豆子は、京劇俳優養成所に預けられる。
過酷な修行の日々、修行生のリーダ的存在である石頭だけが小豆子を支えてくれた。
やがて、小豆子は女形としての道を歩むことになるのだが…。」
これは見応えのある大作。
十年以上前の作品だが、まったく古さは感じさせない。
3時間という長丁場も飽きさせることなく、画面に釘付けにさせられた。
その複雑な境遇から同性愛者となり、近代中国の荒波に揉まれた小豆子。
時代が違えば、実ることはなくとも、その愛で心引き裂かれることもなかったろうに。
清朝崩壊→日中戦争→文化大革命…、この作品を含め、近代中国を舞台にした映画でかならず語られる事件3点セット。
欧米列強に翻弄された中国史に比べたら、日本はなんとうまい具合に国際舞台に滑り込んだのだろう。
日本人の素質?それとも単なる偶然?
この作品を見ながら、日本という国の幸運さをつくづく感じさせられた。