映画「あなたを抱きしめる日まで」を観て

タイトルからすると、コテコテのラブストーリーか、浪花節の効いた家族映画を想像してしまったが、ちょっと毛色が違った。

 

50年前に生き別れた息子を探すという点は、タイトルどおりだが、生き別れの原因が問題。

未婚でありながら妊娠してしまった主人公は、幼い息子とともに強制的に修道院に入れられてしまう。

重労働を強いられ、子どもと会えるの1日のうち1時間のみ、という過酷な生活が続く。

ある日、最愛の息子が、見知らぬ家族とともに、修道院から出ていってしまうのだ。

それから50年のときが過ぎた。

 

この修道院の行為には、裏があり、ストーリーが進むにつれて明らかになってくる。

本来であれば、この部分にスポットをあて、深刻な社会派ドラマに仕上げそうなものだが、本作はそうはしなかった。

信心深く庶民的なオバサンと、皮肉でインテリのジャーナリストとの息子探しの旅、あるいは珍道中といったぐあいだ。

最初は嫌味な存在だったジャーナリストも、表裏のないオバサンと接するうちに、硬直していた心が解きほぐれていく。

神を信じるオバサンと、神を信じないジャーナリストという対立構造に加え、終盤、同じ神を信じながらオバサンと対極的なシスターが登場する。

信仰って一体なんなのだろう?と考えさせる場面だった。

 

この作品に限らず、映画で登場する修道院は、おおむね悪の巣窟のような存在だ。

閉じられた空間、かつ信仰という壁に守られ、管理する側のやりたい放題だったのだろう。

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