映画「バベル」を観て
2011年5月3日
4月下旬から1週間ほど風邪でダウンした。
いや~、しんどかった。
ここまでひどい風邪は何年ぶり。
ここはおとなしく寝てるべきところ、元来、必要以上に睡眠をとれない性分。
と言っても、本を読むほどの気力もなかったので、最近遠ざかっている映画鑑賞をすることに。
けがの功名とはこのことか。
で、引っ張り出してきたのが2007年公開のアメリカ映画「バベル」。
菊地凛子がアカデミー助演女優賞を獲得して話題になったヤツ。
いや~重苦しい。
風邪で養生してるときに観る映画じゃないよ。
頭痛が風邪からきてるのか?映画から来てるのか?
でも、嫌いじゃないなぁ、こういう群像劇。
モロッコ、メキシコ…そして日本と、まったく違う場所で繰り広げられるドラマ。
でも、それぞれのドラマはつながっている。
「北京で蝶が羽ばたくとニューヨークで嵐が起こる」と言うバタフライ効果を映画にしてみましたって感じかな。
タイトルの「バベル」はもちろん聖書のアレですな。
八方ふさがりの主人公達を、言葉が通じなくなったバベルの住人になぞらえてるんだろう。
ただ、"言葉"ではなく、主人公達はたまたまそこに居合わせ、八方ふさがりになった、と言う感じだから、「バベル」と言うタイトルはやや仰々しい感じがする。
日本人でありながら日本人と通じ合えない、菊地凛子演じるチエコののエピソードだけは現代の「バベル」だったような気がする。
さすが助演女優賞受賞者。
隔絶されたチエコだけの世界をみごと体現していたのではないかな。