絵本「くものすおやぶん ほとけのさばき」

著者:秋山あゆ子

「蜘蛛の巣親分が街の見回りをしていると、つくつくぼうしのつくつく和尚に呼び止められる。
お寺の仏像が何者かに運び出されようとした形跡があるとのこと。
犯人は、地下からお寺に忍び込んだことを突き止める親分だったが・・・。」

今回の犯罪の舞台はお寺。
法師とぼうしをかけたのか、和尚はツクツクボウシ。
そしてネタバレになってしまうが、犯人はミンミンゼミ。

ミンミンゼミもお寺を持っていたものの、ツクツクボウシとは違い修行期間が長いため、修行の間にミンミンゼミのお寺が廃れてしまったとか。
この修業期間というのは、セミの幼虫が土に潜っている期間。
確かにツクツクボウシの幼虫期間は3~4年、ミンミンゼミは5~6年とやや長い。
お寺が廃れるほどの年差ではないと思うが、絵本を楽しみにながら、セミの生態も学べる内容となっている。

タイトル通り、ラストは親分の仏の裁きがミンミンゼミに下される。
さすが時代ものを題材としているだけあって、人情のスパイスも忘れてはいない。

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