大停電の夜に (映画 )

クリスマス・イブの夕暮れ時。
空から人工衛星の一部が落下し、東京への送電線が切断される。
光あふれる大都市が一瞬にして暗闇と化した。
路地裏でジャズバーを営むマスターと、ロウソク屋の女店主。
愛人のもとへ向かうサラリーマンとその妻。
過去の秘密を語る老主婦。
エレベーターに閉じ込められた中国人ホテルマンとOL。
元ヤクザと元恋人。
天体オタクの少年とモデルの少女。
聖なる夜に12人の男女物語が静かに始まる…。

上質な大人のファンタジーでした。
Bill Evans TrioのWaltz for Debbyのジャケットからレコードが取り出され、My Foolish Heartがかけられるシーンから映画が始まる。
映画はまさにこのMy Foolish Heartのようにスローに、そして静かに展開する。
これがまた心地良い。

「マグノリア」や「ラブアクチュアリー」のような群像劇で、語られるストーリーはいたってありきたり。
大停電との関連性も全くないし。
ロウソクや非常灯の微かな明かりで浮かび上がる登場人物。
この監督はこういう淡い映像を撮りたいがために、大停電という舞台を用意したんだと思う。
ありきたりなストーリーをすばらしい映像で、上質なファンタジーに昇華させていた。
カメラワークも絶品で、外国映画を見てるような錯覚さえ覚えた。
とくに豊川悦司演じるマスターが営む、ジャズバーのシーンがすばらしい。

不夜城、東京が闇に包まれたシーンは、正直、異様な印象を受けた。
現実にこういう状況に陥った時、東京はどうなるんだろう?
昨今の状況を考えると、略奪などの犯罪が横行しそう…;。

ともあれ、白い季節を間近に控え、心温まる時間を与えてくれた映画でした。

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