「特命戦隊ゴーバスターズ」を語ってみる

最初に断っておきます。
σ(^^)は戦隊ものファンでも、特撮マニアでもない。
SF映画は嫌いではないが、映画の中でも遠ざかっているジャンル。
なわけで、この手のジャンルについては正直疎い人間の番組感想になる。

今日、36作目戦隊もの「特命戦隊ゴーバスターズ」が終了した。戦隊ものを見始めたのは、4歳の息子が「アンパンマン」からこの手の番組に興味を持ち始めた、「ゴーカイジャー」途中からである。子ども頃は「ゴレンジャー」「ジャッカー電撃隊」は見たが、それ以降はまったくみていない。ゴーカイジャーを見たとき、「相変わらずだなぁ」なんてぐらいにしか思ってなかった。ストーリーがはちゃめちゃだし、おきまりの必殺技、そして必然性のないロボ戦。しょせん、子ども番組だなぁ、と。

そして、一年前にはじまったゴーバスターズである。明らかにゴーカイジャーとは違う!エネトロンという新エネルギー、それを狙うバグラスはもとはコンピュータウィルス、亜空間から転送されるエンターというアバター、現実世界の無機物に感染し生成されるメタロイド、そのメタロイドをマーカーとして転送されるメガゾード、そしてワクチンプログラムを埋め込まれたゴーバスターズの三人。何という理にかなった設定。ハリウッドなら、これだけのテーマで立派な2時間映画を作れるはず。ゴーカイジャーは録画するものの観たら消すの繰り返しだったが、ゴーバスターズに限っては当初からDVDに残し、息子と何回も見返している始末。

データや転送など、その世界観は映画「マトリックス」に通じるところがある。同映画のトレードマークはあのサングラスだった。バイザーを変身アイテムに込められているあたり、単なる偶然ではないはず。
この作品を観ながらまず思い浮かんだのが「攻殻機動隊」。ネットと人間が融合した世界は、エンターやエスケープたちアバターの存在に近いものがある。押井守監督でゴーバスターズをアニメ化するってのも面白いかも(笑)
終盤、メタウィルスが無機物ばかりでなく、有機物にも感染していくあたりは、鈴木光司の著書、リングの最終章にあたる「ループ」を彷彿とさせるものがあった。

ゴーカイジャーより前の戦隊ものは知らないが、少なくともゴーカイジャーでのロボ戦はあくまでオマケ。しかし、このゴーバスターズでは、あえてロボ戦がメインとなった。最初の数話、かなり見応えのある特撮シーンが続いた。
第2話「13年前の約束」でのパニックシーンでは、多くのエキストラを使っていたし、第3話の「GT-02アニマル、出撃!」での夕暮れ時のロボ戦シーンに至っては、もはや子ども番組として片づけるには勿体ないぐらいの特撮シーンだった。また、湾岸から上陸したGT-02から海水がしたたり落ちる演出は、作り手のこだわりを感じた瞬間だった。ただ、このこだわりの特撮も途中からトーンダウンし、ロボ戦も稚拙なミニチュアの街の中で展開されるにとどまってしまったが。

ロボットばかりでなく、戦隊のアクションについても書いておく。エスケープがメインとなる回のアクションは、特に気合いが入っていたような気がする。第25話「アバターの謎を追え!」で、テレビ局の中で展開するエスケープと愛しのブルーバスターとのアクションシーンはかなり見応えあり。ワイヤーアクションをふんだんに使ったそのシーンもまた、子ども番組としておくには勿体ないシーンだった。

またまたゴーカイジャーと比較して恐縮だが(^^;)、あちらは勧善懲悪を貫き、ザンギャックは絶対なる悪者として描かれた。一方、本作のエンターとエスケープは若干毛色が違う。
エスケープは、メサイアを慕う極度のファザコン。メサイアのために戦い続けるが、44話「聖夜・使命果たすとき」で、尽くし続けたメサイアに取り込まれてしまい消滅する。その後、エンターにより復元されるが、復元とリセットを繰り返され続け、最後には人格が破綻してしまうのだ。まさに悲劇の悪のヒロイン。愛しのブルーバスターに看取られただけでも救いかも。
自ら復元させたエスケイプを「データの寄せ集め」と罵ったエンターだが、その言葉は当然同じアバターである自分自身にも向けられたもの。人間のデータを集めながら、人間には決してなれないことを悟っていたエンター。こちらもある意味悲劇の悪のヒーローだった。

今日の最終回、エンターと亜空間のシャットダウンに成功したわけだが、陣を失い、ヒロムたちの家族たちも戻ってこなかった。
特に、かぶるべきパートナーを失ったJの悲哀は涙を誘う。
ヒーローたちがそれぞれ新しい道を歩むシーンで終わったが、もやもや感を残す終わり方もまた、子ども番組らしからぬ終わり方だ。

個人的に残念だったのが、メサイア発生の原因や、ワクチンプログラムの秘密に言及されるのかな、と思っていたのだが、結局一切触れられないまま終わってしまったこと。突如現れたメサイアに対し、すぐにワクチンが作れるのも可笑しい話で、きっと最終話でその秘密が明かされるのでは?と期待していたのだが(^^;)

さて、絶賛ばかりしているゴーバスターズだが、世間の評価はあまりよくないらしい。戦隊シリーズでは最低視聴率を記録したらしく、酷評するブログも散見された。戦隊シリーズを見続けてきた人には、既定路線を踏み外した本作を認めたくないのだろう。まぁ、その気持ち、分からないでもない。

そんな酷評を読んでいると、石坂浩二版の水戸黄門を思い出してしまった。マンネリ打破のため、史実に近づけた石坂黄門は短命に終わり、その後の里見黄門で既定路線に戻った。次期戦隊の「キョウリュウジャー」は、予告を見る限り、既定路線に戻るような気がするが、それは来週蓋を開けてみないとなんとも分からない。

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