映画「ハッシュパピー バスタブ島の少女」を観て

天真爛漫、天使の笑顔・・・子どもについて回る言葉はポジティブなものが多い。
しかし、この映画に登場する少女は、作品中笑顔を見せることなく、口は一文字、何かを睨みつける眼差し、先の言葉とは相容れない様相だ。

6歳のハッシュパピーは、父親と湿地帯で暮らす。
最貧困層のハッシュパピー一家は、ホームレスではないが、あばら屋に暮らし、現金の収入源も映画からは不明だ。
大国の名を欲しいままにするアメリカ。
経済的にも、軍事的にも強い面ばかり目立つが、この国の格差はかなりひどいらしい。
富裕層も国民の1%に過ぎないという数字もある。

父親との関係も微妙だ。
別々の建屋に暮らし、エサと称して、家畜ともに娘に食事をさせる父親。
嵐の夜、怖がる娘をいたわるわけでもなく、逆に「怖がるな!」と叱咤する。
もやは幼児虐待(^^;)

どう考えても、子どもにとっては劣悪な生活環境。
誰か手を差し伸べないと、と、誰しも思うだろう。

ほどなくして、彼らは政府当局に保護され、衛生的な施設に移される。
めでたし、めでたし・・・とは映画は終わらない。
結局、彼らは施設を抜け出し、不衛生な湿地帯へ戻る。

自分たちの価値観、基準で手を差し伸べることは、支援や救助でもなんでもない。
一方的な押しつけであり、下手をすると暴力的でさえある。

彼らには彼らの生活がある。
映画のラスト、ハッシュパピー親子が抱き合うシーンは感動的。
彼らには彼らの愛し方がある。

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