2014年10月11日
映画「もうひとりのシェイクスピア」を観て
シェイクスピアを始め、英国史について、まったく知識を持ち合わせていないのだが、そんなσ(^^)でもグイグイを惹きつけられた作品だった。
シェイクスピアの名前ぐらいはもちろん知っている。
「ロミオとジュリエット」、「オテロ」、「リア王」・・・、ストーリーこそ定かではないけど、作品名だけならいくらでも挙げられる。
文学には無縁なσ(^^)でさえ、名が知られている彼、その人なりが全く不明とは、この映画を見るまで知らなかった。
定説では役者とされているが、本作ではエリザベス女王に近しい伯爵が本当のシェイクスピアだった、と言う荒唐無稽な仮説を展開。
なぜに荒唐無稽かと言うと、当時演劇はまだまだサブカルチャーだった。
貴族のような保守的社会で演劇が認知されているわけでなく、そんな旧態依然の集団から劇作家が生まれる可能性はゼロに近いはず。
大胆な仮説に加え、王位継承の争い、複雑で濃い血縁関係、そして本物と偽物のシェイクスピアを仲介する劇作家の苦悩を織り交ぜ、本作品は極上の歴史サスペンスに仕上がっていた。
おすすめです。
貴族にさえ生まれなければ、拍手喝采を浴びたであろう主人公の苦悩。
あのとき別の道を歩んでいれば・・・、誰しもが抱えるそんな後悔の念に重なるような気がした。