2014年12月30日
映画「 ぼくたちのムッシュ・ラザール」を観て
教師が教室で首吊り自殺し、朝早く登校した二人の児童が第一発見者となる。
なかなか衝撃的なシーンから映画が始まる。
ここ最近の日本映画なら、この自殺を発端に校内の病巣があぶり出されたり、残忍な事件が続発したりするんだろうけど(最近、学校を舞台にした殺戮映画はやってますね)。
このカナダ映画は、事件後、変わりなく授業を受ける生徒、そして教壇に立つ代理教師の姿を淡々と描く。
教師はなぜ自殺したのか?そんなことは映画は一切追わない。
「ぼくたちの・・・」とタイトルがついてるけど、金八的な熱血教師がでてくるわけでもない。
生徒たちの心の傷の深さに戸惑い、自らのトラブルにも苦悩する、人間味あふれる先生だ。逆にそれが好感を持ててしまう。
親や世間の目を気にし、萎縮した教育現場はカナダも同じよう。
先進国共通の課題なのかもしれない。
子を持つ親として、何か息苦しいモノを感じた。
事件の第一発見であり、クラスの中で一番、ラザール先生に心を開いていたアリス。
このアリスを演じる子役がなかなか魅力的だったね。
起伏の少ない作品だったけど、学校を去るラザール先生とアリスとの別れのシーンは感動的だった。