2019年6月16日
テレビ「リーマン告発者の10年」を観て
仕事上、過去のデータを時系列にして眺める機会が多々あるが、2009年に特異点を見つけると、「ああ、リーマンショックね」といった具合に「リーマン」はビジネスマンにとって馴染みのあるキーワードだ。
自分の業種は金融関係とは無縁だ。でも、この2009年の出来事はことあるごとに言及される。21世紀を語る上で外すことのできない歴史なのだ。
ただ、「リーマン・ブラザース」は知っていても、そこで何が起こっていたのか、全然知らなかった。同番組は、そんなもぐりなビジネスマンには格好の番組だった。
金融大手だった同社、その内部は粉飾と不正のオンパレードだったようだ。番組は、そんな不正を告発した数人の告発者のその後を追っている。
告発し、その会社は結果的にその会社は破綻したのだから、告発者はある意味ヒーロー。称賛され、平和な日々を送っても良さそうなのだが、現実は違っていた。
告発までの平穏な生活を、そして職を失い、家も失い。家族の信用までも失っている。正直者はバカを見るのか?
当時、告発者は会社から執拗な嫌がらせを受けたようだ。解雇あるいは自ら辞めても、悪人たちの手は転職先にもおよび、即解雇されてしまう、という徹底ぶり。映画のような展開である。一方の経営陣は、今も賠償訴訟の矢面にたたされているようだが、いまだ有罪判決を受けたものはいないらしい。
当時問題となったサブプライムローンは、名前を変えていまだ存続し、リーマンショック後に再発防止のため設けられた金融業界の規制が、経済活性化を理由に、トランプ政権により緩和された事実を伝え、番組が閉められていた。
失敗から人は何も学ばないのだろうか?・・・憂鬱にならざるをえない番組だった。