BS1スペシャル「欲望の資本主義2021」を観て

正月番組と言えば、NHKで放送されるサッカー日本代表関連番組とこの「欲望の資本主義」だ。日本代表番組は元旦に「2021・森保一監督の決意」というものがあったようだが、すっかり見逃してしまった。NHKなので恐らく再放送してくれるだろう。

「欲望の資本主義2021」の方はしっかり視聴することができた。ただ、今回は周知のことばかりで、正直なところ満足感はイマイチ。とはいえ、経済に向き合う数少ない機会なので、知識を整理するうえでは良かったか。

番組では、COVID-19のパンデミックにより、以下のことがまざまざと露呈してきた、と語られていた。

・格差の拡大

・自由貿易のリスク

この2点を軸にメモ書きしておく。

格差の拡大

 非正規社員、失業者、無業者→年金、生活保護も受けられず、死ぬまで労働を強いられる。
 新たな階級、プレカリアートの出現。
 プロレタリアート(労働者階級)からの非正規社員を示す造語。
 階級は、人の帰属意識に関わる部分であり、結果として社会の亀裂をもたらす。 
 富の再生産が起きている。
 すなわち、富む者が子に教育を受けさせ、富が伝承。
 結果として、富が社会に分配されることはない。 
 1980年代の工業化から、金融経済への移行により不平等が加速。
 金融経済の副産物としてICT革命が起き、資本が有形から無形に変わった。
 近年、企業は設備投資ではなく、無形資産に集中している。
 現代の労働者に突きつけられた「創造か、死か」の選択。 
 プラットフォーマーはダーティーなカジノである。
 ユーザは彼らに囚われている。
 無形資産による収益は企業の力になるばかりで、労働者の手に渡ることはない。 
 プラットフォーマーはダーティーなカジノである。
 ユーザは彼らに囚われている。
 無形資産による収益は企業の力になるばかりで、労働者の手に渡ることはない。 
 経済成長は格差縮小に必要。
 第1次世界対戦後、ドイツ国民の心の洞察なしに、経済論理のみで賠償を請求。
 結果として、ファシズムの台頭を招き、第2次世界対戦が勃発。 

自由貿易のリスク

 グローバリゼーションの始まりは、1972年の米中国交正常化。
 その終焉は米中対立が高まった近年。
 民主主義の驚異が、社会主義から、中国の全体主義へ。
 ヨーロッパの多国籍メカニズムは、現在、分裂と機能停止の状態にある。 
 全員が豊かになれる時代の終焉は、1970年代にすでに始まっていた。
 スタグフレーション、オイルショックの煽りを受け、アメリカの成長は失速。
 日本ばかりでなく世界の目標であったアメリカの失速は、先頭者なきレースの始まりとなった。 
 (株式)市場は実態を反映しているわけではなく、ナラティブ(語り口)からもたらす期待値で変動している。
 COVID-19の伝染が拡大する中であっても、株価は回復した。
 すなわち、リーマン・ショック時の記憶がナラティブとなった。
 トランプ大統領の人間性はともかく、経済的センスはあった。 

経済学者の言葉

ポランニー

「市場が社会から切り離されるとき、

すべては市場の要求に従属することになる。

悪魔の挽臼となり、社会をすりつぶす。」

今回の同番組で語られていた現況は、まさに「悪魔の挽臼」が動き出している、ということではないか?

ケインズ

「自己の環境に慣れてしまう能力

それが人間の顕著な特性である」

パンデミックに対する人々の行動を予見するかのような言葉・・・喉元すぎればと言うやつか。

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