映画「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」を観て

1969年5月に東京大学駒場キャンパスで行われた三島由紀夫と東大全共闘との討論会について、当日の映像とともに、そこに居合わせた人々のインタビューを織り交ぜたドキュメンタリー。

三島由紀夫と学生運動、自分が生まれた前後に起きた事件(三島事件)ということもあってから、頭の片隅にこびり付いているキーワードだ。
小学6年生の頃、社会科担当の教師が授業中に、三島由紀夫とその割腹自殺のことを熱く語っていたことも、なぜか鮮明に憶えている。当時は???な感じではあったが、50過ぎてもその記憶が残っているということは、何か感じるものがあったのだろう。

ドキュメンタリー映画としては、あまり評価できるものではなかった。
テレビ放映でもよかったのでは?という程度の浅い出来だったが、放映するにしてもスポンサーが付かなかったのかもしれない。

当日の映像も細切れだし、芥という夢見人のような学生との不毛な議論に多くの時間が割かれていたのが残念だった。
討論会の内容がそれだけのことだった、ということか。

そこに居合わせた人物のインタビューだけは、価値あるものだった。
「学生運動は失敗だったのか?」という辛辣な質問に、当事者たちの半世紀後の言葉はなかなか重みがあった。

相手の弱点をつくだけの非生産的な論破という行為がブームの昨今。
鑑賞後、言葉に力がまだあった時代への羨望が心に残った。

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