児童書「二分間の冒険」を読んで

またまた岡田淳の著作。

でも、これまで読んできた著者の作品とは大きく異なっていた。

これまでの作品の舞台は学校、あるいは学校からちょっと異世界へ足を踏み入れる程度だった。

しかし、この「二分間の冒険」、学校は最初と最後に数ページ登場するのみで、全編ほぼ異世界。

竜が支配する異世界に迷い込んだ少年が、伝説の剣を振りかざし、この支配者を退治するというもの。

う~ん、なにかありがち。

でも、この異世界で描かれるプロットは意味深なものばかり。

仕事をしなくても竜があらゆるものを用意していくれるくだりは、ロボットやAIが進化した近未来を思わせ。

老人だけの世界は、高齢化社会の行く末を想起させた。

そして、ネタバレになってしまうが、自らが伝説の騎士だと信じ込ませ、無謀な戦いに挑ませるあたりは、自分探し、自己実現などと学生を扇動する就活ビジネスの様相である。

 

終盤、主人公は竜と戦う訳だが、剣で戦う前になぜかなぞなぞ合戦がある。

そういう儀式になっている。

ここらへん、児童書らしいところだが、やはり読み聞かせた息子が一番興奮した場面だ。

なんだろう?あれかな?こうかな?といった具合に。

これが大人も頭を捻らざるを得ない難問だったりする。

 

なぞなぞは竜との戦いの場面だけでなく、冒頭に主人公にかけられた、この物語のメインテーマともいうべき、なぞなぞがある。

「この世界で一番たしかなもの」

主人公は冒険の途上、その答えを模索し続ける。

最後に彼はその答えにたどり着くわけだが、哲学的な答えに「うまいっ!」と思わず膝を打ちそうになったが、息子には???。

納得がいかない様子だった(笑)

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u1kuni
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