2020年4月7日
映画「英国総督 最後の家」を観て
タイトルからして、権限移譲しインドから立ち去るイギリス総督と、別れを惜しむ現地職員の哀愁感漂う映画を想像していたのだが・・・これが大違い。インドは動乱の最中。宗教対立が激化し、各地で虐殺を横行する中、イギリスは憎まれる立場にあった。
インドにこんな動乱の時代があったとは。自分の無知を恥じるばかりだ。パキスタンとの緊迫関係はニュースで耳聞したことはあったが、事の発端はここにあったのか。
もともと他の宗教に寛容であったインド国民だったが、イギリスの植民地政策により、国民の団結を阻むべく、宗教対立をけしかけ、その結果がこの国土分割。
イスラエル-パレスチナといい、映画「ホテル・ルワンダ」での題材になったフツ族-ツチ族といい、国を引き裂くような不条理な過去の政策に憤りを感じることしきりである。
「踊るマハラジャ」のようなインド映画のイメージがあってか、インド人には楽天的な印象を持っていたが、この作品を観て、見方が変わったなぁ。あたりまえのことだが、どの国にも深い歴史があるんだなぁ。