映画「はちどり」を観て

「舞台は90年代のソウル。
中学2年生のウニは、餅屋を営む父、それを支える母、ユニに暴力を振るう兄、夜遊びが耐えない姉と団地で暮らす。ある日、母に頼まれた買い物を終え、帰宅したウニ。チャイムを鳴らしても在宅のはずの母がまったく応えない。玄関前で母を呼び続けるウニだったが・・・。」

青春映画である。
若さに満ち溢れたきらびやかな青春ではなく、若さを持て余し無気力と戸惑いの青春が描かれている。

主人公が自分の子と似たような年代ということもあり、彼女に感情移入するというより、ついつい親目線で鑑賞してしまった。
親を始めとした大人たちの子供にとっては不可解な言動に、自分の居場所はどこ?と困惑する主人公。
この年頃、確かにこういう感覚は自分にもあったかもしれない。
大人たちが発するどんな言葉も、馬の耳に念仏の時代だ。

授業そっちのけでノートに漫画を書き、休みの日はクラブとカラオケ。
傍から見ると好き勝手やっているようだが、やるべきことが見つからないから、暇つぶしにやっているだけのこと。
そんな閉塞のスパイラルから抜け出すには?

塾講師の女性と出会い、主人公はスパイラルから抜け出すきっかけを掴みかける。
この講師との出会いは、親視線で鑑賞していた身として、胸をなでおろすシーンだった。

その後、いくつかの事件を経るものの、主人公の境遇になんら変化はない。
しかし、ラストに見せた主人公の表情は、これから転機が訪れることを予感させるものだった。

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